亜鉛で元気

床ずれに悩む、 キズが治りにくい?

床ずれ(褥瘡=じょくそう)は、自ら体位を変えられない寝たきりの患者さんや高齢者に多く、身体の重みで長時間圧迫されて血流が悪くなったところに生じます。床ずれは感染症をまねく恐れもあるので、頻繁に患者さんの体位を変えて、同じところに圧力がかからないようにすることが重要です。

もっとも床ずれができやすいところは仙骨(おしりの中央にある三角形の、尾てい骨の上部にある骨)で、次いで肩甲骨部、頭部、かかと、ひじが多く、耳、肩、膝、くるぶしなどにもできます。皮下脂肪が少ないところは身体の重みが集中しやすく、ベッドや敷布団で圧迫されて床ずれができやすいといわれています。車椅子に乗っている時間が長い人では、圧迫されやすい坐骨部、尾てい骨部、背中、肘などに褥瘡ができやすくなります。

床ずれの症状

床ずれは、まず皮膚の表面に赤みや内出血、水ぶくれができます。さらに圧迫が続くと水ぶくれが破れてただれ、膿(うみ)が出て潰瘍(皮膚がただれた状態)になります。圧迫されて血流が悪い状態が慢性化すると、潰瘍部分の皮膚は壊死(皮膚の細胞が死滅)し、傷口は深く広がり、筋肉や骨が見えるほどひどい状態になる場合もあります。
筋肉や骨に達した重症の床ずれは、痛みを伴うだけでなく、傷口から細菌が入り込みやすくなるので、命に関わる感染症の危険が生じます。

褥瘡(床ずれ)の重症度(深達度分類)

NPUAPによる分類

日本褥瘡学会 編:第1章 褥瘡の概要.表 DESIGN-R深さ項目、NPUAPstage分類、EPUAPグレード分類の比較.
褥瘡予防・管理ガイドライン、 照林社、pp21、2009より引用作図

床ずれの原因

床ずれは、体位変換ができず、栄養状態が悪く、皮膚が弱っているとできやすくなります。さらに、糖尿病があると治りが悪くなります。

床ずれの原因

外的因子

体圧、摩擦

内的因子

加齢、栄養不足、麻痺、
皮膚の状態が悪い など

床ずれの回復と栄養

栄養状態が悪いと、床ずれが治るまで時間がかかります。また、糖尿病や慢性の肝臓病、貧血も傷の回復を遅らせることがあります。

傷の回復に関わるビタミンC、B1や亜鉛の不足は、床ずれの治りを遅らせます。ビタミンC、B1は皮膚の構成成分であるコラーゲンをつくる過程で欠かせないビタミンで、また亜鉛は皮膚を形成している細胞の再生・修復に重要な働きをする栄養素(ミネラル)です。床ずれがある患者さんの血液中の亜鉛濃度は重症になるほど低かったという研究1)もあります。亜鉛は傷の回復には欠かせないミネラルといえるでしょう。

1)岡田淳、小酒井望、只野寿太郎ほか:褥瘡患者における血清亜鉛の動態.微量金属代謝 1: 43-47, 1975

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